結束バンドが乾燥したら
皆さんあまりご存知ないかもしれませんが、標準的な結束バンドの原材料であるナイロン66は、非常に水分を吸収しやすい特性を持っています。結束バンド製造時には、最適な水分量になる様に吸水処理されパッケージされているので、未開封時には、外部の雰囲気の影響を受けることは少ないのですが、一旦開封されると、結束バンドは外気湿度によって吸水、もしくは乾燥します。
結束バンドは、乾燥すると強度は強くなるのですが、固くなり、衝撃等に対して脆くなります。こうなると、結束作業がやりづらくなりますし、結束時に破断してしまう原因ともなります。特に冬場の乾燥時期や、空調の効いた室内ではこのような現象が発生しやすくなりますので、注意が必要です。
これを防ぐには、まずは結束バンドを保管する際、密閉して保管することです。それでも乾燥して固くなってしまった結束バンドは、再度、吸水させることで元の状態に戻すことが出来ます。密閉した袋の中に直接適量の水を加えても良いのですが、結束バンドに均一に水分を加えるには、水を含ませたスポンジを密閉した袋の中にいれて、一晩保管します。こうすると、全てのバンドに均一に吸水させる事ができ、良い状態で使用することができます。
品質管理番号(QC番号)のお話
結束バンドの製品パッケージには、品質管理番号というものが印刷されています。(当社ではQC番号と呼びます)。
これは文字通り品質(Quality)を管理(Control)するための番号で、その製品の製造記録を参照するための番号です。メーカーはこの番号により、その製品が製造された全ての記録を追跡することが可能になります。製造年月日はもちろんですが、製造シフト、時間、原材料のロット、さらには記録されている製造時の様々な条件も追跡することが可能になる大変役に立つ番号なのです。
結束バンドを使用する際、このQC番号を控えておくと、万が一、製品に不具合が発生した場合にその発生原因を突き止める事が容易になります。逆にこのQC番号の情報がないと、メーカーは上述のような様々な情報を追跡することが出来ず、不具合の原因究明に時間がかかってしまう場合があります。
結束バンドを製品パッケージに密封して保存することは、製品品質を保つために有効なことですが、このQC番号を保持しておくという意味においても、製品パッケージに入れた状態で使用するか、またパッケージから取り出して小分けして使用するような場合にも、QC番号を控えておくことをお勧めします。
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