Ⅳ.結束バンドが使用される用途 ソーラーパネル

求められる
結束バンドの特性
耐塩化亜鉛性、耐候性

 ソーラーパネルの施工時にも結束バンドは大量に使用されます。各モジュールから出るケーブルを、パネル設置用の架台に固定するために使用されます。
 屋外使用となりますので、耐紫外線性を考慮することはもちろんですが、亜鉛メッキされた架台が使用される場合は、設置地域によっては耐塩化亜鉛性にも十分注意を払う必要があります。
 沿岸地域で潮風に曝される環境や、山間部で融雪剤が使用されるような地域では、潮風や融雪剤に含まれる塩基が、亜鉛メッキと結合することによって塩化亜鉛が発生します。

ソーラーパネル

 一般的な耐候性ナイロン66は、この塩化亜鉛に全く耐性がないため、このような環境下での施工には、耐塩化亜鉛性に優れた耐候性ポリプロピレンやナイロン12製の結束バンドの使用を推奨します。材料によって、耐用年数や強度が違いますので、それらの要素に関しても十分考慮し、最適な材料を選択する必要があります。

耐候性ナイロン66

一般的な屋外使用の材質です。材料にカーボンを加え耐紫外線性を高めています。ただし塩化亜鉛に対する耐性はありません。

耐候性ポリプロピレン

架台の亜鉛メッキと、沿岸地域の潮風や山間部などで使用される融雪材等が反応して発生する塩化亜鉛に対して、最も耐性がある材質です。

ナイロン12

耐候性能に優れ、塩化亜鉛に対しても一定の耐性を持つ材料で、製品寿命も25年以上と長い製品ライフを持つ材料です。

テフゼル*

テフロンの材料で高い耐候性と耐化学薬品性能を持つ材質です。また、最高使用温度も170℃と高温下での使用に適しています。

ステンレス

金属製の材料は、最も優れた耐候性、耐熱性、耐化学薬品性を保持します。ただし、樹脂製の結束バンドに比較し高価な材料となります。

材 質 耐紫外線性 耐塩化亜鉛 製品寿命 強 度 価 格
耐候性ナイロン66 × 7~9年
耐候性ポリプロピレン 7~9年
ナイロン12 25年以上
テフゼル* 15年以上 ×
ステンレス 30年以上 ×
*テフゼルはDuPont社の登録商標です。

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