ループ引張強度と単純引張強度
結束バンドの性能を測る基準としては、ループ引張強度を参照するのが一般的です。これは、結束バンドを分割するマンドレルに結束して、その破断強度を計測するものです。
これに対して、単純引張強度というものがあります。これは、ストラップの両端を単純に引っ張ったときのストラップ破断強度になります。
それでは、ループ引張強度と単純引張強度はどちらが強いでしょうか?結束バンドが外れるのは、通常ロック爪が破断することによって発生しますので、ループ引張強度の方が弱そうな気がしますが、実際には単純引張強度の方が弱い事が分かっています。
これはループ引張強度を計測する場合は、円筒のマンドレルに結束したバンドを引っ張るため、結束バンドにはストラップやロック爪に均等に力が加えられるのに対し、単純引張強度はストラップの両端を引っ張るため、ストラップの一箇所にストレスが集中するためです。
結束バンドを工具を使用して締付・結束を行う場合は、単純引張強度試験と同じような力がストラップに加えられることになります。そのために、結束工具の締付強度は、ループ引張強度ではなく、単純引張強度を参考に設定されています。
使用する結束バンドのループ引張強度と同等の力で締付強度を設定してしまうと、締付・結束時にストラップの破断や伸びという現象が発生するので注意が必要です。
ループ引張強度 |
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単純引張強度 |
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引張強度試験機 |