Ⅲ.結束バンドの材質による特性
結束バンドには多様な材質のものがあり、材質によって耐候性、難燃性、耐薬品性、耐放射線性、耐湿性、耐熱性及びループ引張強度などに優れた特性を持っています。
材質ではナイロン12、ナイロン66、ポリプロピレン、フッ素樹脂(テフゼル*)、ポリアセタール(デルリン**)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ステンレススチールなどを使用した製品があります。
使用される環境、条件下で効果的に使用するためには、その環境や条件に最も適した材質の結束バンドを選択する必要があります。様々な環境に対して適切な材質の結束バンドを使用することで、無用な再施工などを回避でき、全体としてコストダウンに繋がります。
【耐湿性】
高湿度下に置かれたプラスティックは、水分を吸収します。そのため、材質の引張強度は著しく変化します。 |
|
---|
【耐候性】
太陽光線に含まれている紫外線は、照射している物質、特にプラスティックの分子構造を破壊して、その属性を浸食します。材質が破壊されると色があせ、表面の光沢も失せて脆くなります。また、引張強度と伸長度が減衰します。 |
|
---|
【耐化学薬品性】
結束バンドの寿命を決める要因はいくつかありますが、化学薬品に対する耐久性は、重要な要因の一つです。その多くの化学薬品も、濃度、温度、圧力および紫外線等の要因によって、プラスティックへの影響の度合いが異なってきます。 |
|
---|
【耐熱性】
プラスティック材料は、通常、高熱にさらされると酸化して、特性が劣化します。最高使用温度は、その使用環境及び材質そのものに左右されます。 |
|
---|
【難燃性】
結束バンドは、難燃性のグレードが定義されています。右記の材料はUL94V-0の難燃グレードに該当します(ステンレスは不燃性)。 |
|
---|
【耐放射線性】
結束した状態で各材質の結束バンドを異なる放射線量の放射線に当てて、許容放射線量を決定します。 |
|
---|
【ループ引張強度】
結束バンドは、材質、長さ及び最小ループ引張強度で選択されます。 |
**デルリンはDuPont社の登録商標です